はじめに
近年、都市部や住宅が密集するエリアでも「開放感のある家に住みたい」という声は根強くあります。しかし道路や隣家からの視線を考えると、大きな窓を設けるのはためらわれる…という方も多いはず。そんなニーズに応える住宅スタイルが コートハウス です。
コートハウスは、建物に囲まれた中庭を住まいの中心に据えることで、プライバシーを守りつつ、光や風をたっぷり取り込むことができます。さらに フルオープンサッシ を組み合わせれば、中庭とリビングが一体化し、室内外がつながる開放的な暮らしが実現できます。
コートハウスとは?
「コート(court)」とは、中庭を意味します。建物をロの字型やコの字型に配置し、中央に庭を設けるのが基本的なスタイルです。
- 外部からの視線を遮断しつつ、内部に開かれた庭を楽しめる
- 採光・通風を効率的に取り込める
- リビングやダイニングとつなげて「屋内外一体の空間」を演出できる
敷地条件に左右されにくく、密集地でも開放感を得やすいのが魅力です。
コートハウスが人気を集める理由
- プライバシーと開放感の両立
道路や隣家に面した大きな窓では、どうしても視線が気になります。コートハウスなら中庭に開くため、外からの目を気にせず大きな窓を設けられます。 - 光と風を取り込む設計
中庭を中心に配置することで、家全体に均一な明るさと風の通り道を確保できます。 - 家族の時間が自然と増える
中庭に面した大きな窓を開け放つと、リビング・ダイニングと庭が一体化し、子どもの遊びや家族の団らんの場が自然に広がります。
コートハウスとフルオープンサッシの相性
フルオープンサッシは、窓を全開にして柱やフレームの存在感をほとんどなくせるサッシのこと。中庭とリビングを隔てる壁一面をサッシにすれば、開け放つだけでリビングと庭が一つの大空間に変わります。
- 中庭でBBQや子どもの水遊びをしながら、室内ともつながる
- 植栽の緑や季節の花を、リビングからダイレクトに楽しめる
- 窓を閉めれば断熱・遮音性能が確保できるため、日常使いも安心
まさに「庭を取り込む家」というコートハウスの特徴を、最大限に引き出す設備がフルオープンサッシだと言えます。
実例に見る暮らし方
- 都市部の狭小地:周囲からの視線を避けつつ、上から光を取り込み、昼間でも明るい住まいに。
- 子育て世帯:中庭を子どもの遊び場に。親はリビングから目が届き、安心して見守れる。
- アウトドア好き:リビングと中庭を一体に使い、休日はテントやハンモックを広げる。
いずれも、フルオープンサッシを開け放つことで「庭=もうひとつの部屋」として機能しています。
注意点とデメリット
もちろん、コートハウスにも課題はあります。
- コストが上がる可能性
建物をコの字型・ロの字型にする分、外壁面積が増え、施工費が高くなる傾向があります。 - 雨仕舞・排水計画が重要
中庭は雨が直接降り込むため、排水計画を十分に考えないと水が溜まるリスクがあります。 - 断熱・日射対策が必要
大きな開口部を設ける場合、Low-Eガラスや庇を活用して、夏の直射日光を防ぐ工夫が不可欠です。
成功させるための工夫
- 庇やルーバーで夏の日射をコントロール
- 植栽や塀を組み合わせて視線や熱を調整
- 高断熱サッシ+フルオープンサッシで快適性を確保
- 家具配置を考慮して窓の位置を決定
これらを意識することで、快適さと開放感を両立できます。
まとめ
コートハウスは、密集地でも光と風を取り込みながら、プライバシーを確保できる魅力的な住宅スタイルです。そこにフルオープンサッシを組み合わせれば、中庭とリビングがつながり、暮らしの舞台はぐっと広がります。
家族や友人と過ごす時間が豊かになるだけでなく、四季の変化を日常に取り込みながら暮らせる。そんな贅沢な住まい方を可能にするのが、「コートハウス+フルオープンサッシ」という選択肢です。