開発秘話:サッシの性能を測る試験とは

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いつも当社のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

今回は、普段なかなか目にすることのない「製品の性能試験」の裏側をご紹介したいと思います。


サッシの性能表示はどのように決まる?

カタログや仕様書に記載されている「水密性」や「気密性」といった性能表示。
これらの数値は、実際に公的な試験機関で検証を受け、厳正な評価のもとで取得されています。
では、その性能試験がどのような流れで行われているのか、簡単にご説明します。


主な試験機関について

当社が性能試験を実施する際に利用している主な施設は、以下の2ヶ所です。

  1. 大阪府:一般財団法人 日本建築総合試験所
  2. 埼玉県:一般財団法人 建材試験センター

いずれも公的基準に基づいて、サッシや壁材・屋根など建築材料の性能を客観的に評価する公的機関です。当社では、ここに製作した試験体を搬入し、各種性能試験を受けています。

性能試験のための設備は非常に高額かつ大規模となります。そのため、自社で導入するのはハードルが高いのが現状です。多くの建材メーカーはこうした公的機関を積極的に活用し、製品の性能評価を行っています。


性能試験の準備工程

性能試験に使用するサッシは、基本的に製品の最大サイズで製作します。
試験体を設置する試験炉自体にもサイズ制限があるため、試験炉に合わせた木枠や鉄枠の準備も不可欠です。

例えば、「ウインドイスター高断熱タイプ」では、最大サイズが幅2,600mm×高さ2,430mm。
木枠や鉄枠まで含めると、幅4,100mm×高さ3,100mmもの大きさになります。

この木枠や鉄枠は、ただ製品をはめ込めばよいというものではありません。
試験に適した強度や精度が求められ、わずかな歪みやズレが試験結果に影響を与えるため、準備段階から非常に神経を使います。
当社では、サッシ本体だけでなく木枠や鉄枠の設計・組立も一から自社で対応しています。


搬入から試験まで

組み立てた試験体はトラックで試験機関まで運びますが、その工程も一筋縄ではいきません。
大きなサイズに加え、試験体の安定性を保ったまま運ぶ必要があり、固定や梱包にも十分な時間をかけています。

現地到着後は、最終的な調整や気密処理を行い、ようやく試験に臨みます。


数字の裏にある、技術者の努力

このように、カタログや仕様書に記載されている性能表示は、数々の準備や現場作業、そして技術者の地道な努力と試行錯誤の積み重ねによって生み出されています。数字だけを見ると簡単そうに感じるかもしれませんが、その裏には、「どうすれば正確な試験ができるか」「より信頼性の高い結果を得るためには何が必要か」といった日々の工夫や、失敗から学んだ経験が活かされています。

試験体の設計・組立、運搬、現場での最終調整と、どの工程にも細やかな配慮が求められるため、一つひとつの作業を丁寧に、そして着実に進めていくことが何より重要です。


これからも「確かな品質」と「信頼性」のために

当社では、こうした性能試験のプロセスを通じて、
「本当に安心して使っていただける製品」をお客様にお届けできるよう、日々努力を重ねています。

今後も、サッシをはじめとした建材製品の品質向上と信頼性の向上に努め、
皆さまの暮らしをより快適に、より安全に支えていけるよう精進してまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも当社の製品、そしてブログをどうぞよろしくお願いいたします。


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